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大阪万博 記念! クレヨンしんちゃん史上 最高傑作 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲 

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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲 概要

公開日:2001年4月21日

2001年(21世紀に入った最初の作品)に公開された「クレヨンしんちゃん」劇場版シリーズの第9作目で、シリーズの中でも特に高い評価を受けている作品です。

上映時間:89分。 興行収入:14.5億円

キャッチコピーは「未来はオラが守るゾ」。

監督はAniNoteでも紹介した『かがみの孤城』を手掛けた原恵一 氏。

オトナ帝国の逆襲は、原恵一監督の“挑戦作”でした。

クレヨンしんちゃんは、過去作まで子供たちに大人気のコンテンツではありましたが、監督は「子ども向けアニメで、ここまでやっていいのか?」という思いが強くギリギリを攻めたって語っています。

特に「ノスタルジーに支配された大人たち」ってテーマは、子どもにはわかりにくいけど、大人に強烈に刺さるように作られています。

最初のプロットを見たプロデューサーたちは、「暗すぎるし、子ども向けとしてどうなの?」とかなり反対したらしい。

でも原監督が「これは絶対に大人に刺さる」と譲らず、そのまま通したんだとか。

結果、大大大成功を収めていますが。

特に、今回の傑作で何がここまで大人たちに刺さったのか考察すると、『ひろしが主役級の存在感』を放っている点です。

原監督は「この映画の主役は、しんのすけじゃなくて“野原ひろし”だ」と語ってるくらい、ひろしに込めた思いが強い。

現代の普通のサラリーマンで、家族のために日々を生きる男。

その“何気ない日常”がどれほどかけがえないものかを描くのが、あの回想シーン。

伝説のシーン「ひろしの回想」では、彼の人生を“靴下の匂い”をきっかけにフラッシュバックさせますが、あれ実は原恵一監督自身が昔感じた“ある匂い”で子ども時代を一気に思い出した経験が元になってるようです。

あの匂いが「時を超える装置」になるって発想、めちゃくちゃ詩的で天才の所業だと思います。

それに社会に対するメッセージ性も高かった。

20世紀から21世紀に代わった節目の年でもあり、時代が変わるごとに価値観や常識も変化してくる。

そこに「昭和愛と批判の両立」というテーマを掲げることで、昭和の良さもいっぱい描かれてるけど、同時に「過去にすがることの危うさ」も表現されている。

「昔はよかった」という言葉の裏にある“現実逃避”への警鐘を鳴らしてるとも取れる。

  • 原作:臼井儀人
  • ジャンル:家族アニメ /コメディ・ヒューマンドラマ・SF(近未来ディストピア的要素あり)・社会風刺/ノスタルジー批評
  • 配給:東宝
  • アニメ映画公開:2001年
  • 監督:原恵/
  • 制作会社:シンエイ動画

あらすじ

突如としてオープンした「20世紀博」は、昭和の懐かしい風景や文化が詰め込まれた一大テーマパーク。

そこには、昔懐かしい音楽やファッション、街並みなどが再現され、大人たちは瞬く間に夢中になっていく。

しんのすけの両親、ひろしとみさえも例外ではなく、どんどんとその「懐かしさ」に心を奪われ、やがては子どもたちの世話すら放棄するように……。

家の中は荒れ、町中の大人たちが次第に「子ども時代」へと心を戻していく奇妙な現象が広がっていく。

そんな中、しんのすけとカスカベ防衛隊(風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃん)は、「大人たちがなにかおかしい」と気づき、自分たちだけで立ち上がることを決意する。

果たして、子どもたちは大人を救い出すことができるのか?

そして、「懐かしさ」という名の魔法にかかった世界に、未来は取り戻せるのか――?

注目ポイント!

「ノスタルジー」というテーマの深さ

この映画の大きなテーマは「懐かしさ(=ノスタルジー)」です。

大人がかつての“楽しかった時代”に戻りたくなる気持ちは誰でもあるけど、それに溺れると「今」が崩れていく……

という、ちょっと怖くて切ない話。

子どもには新鮮、大人にはリアルに刺さる描写が満載です。

野原ひろしの“人生回想シーン”

多くのファンが「神シーン」と呼ぶのが、ひろしの過去をたどる回想パート。

たった数分で、彼の人生のあたたかさ・苦労・幸せが全部詰まっていて、グッとくる。

“父親”という存在を、めちゃくちゃ尊く描いてる名場面。

しんちゃんたちの子どもらしい冒険心

「大人を助けなきゃ!」と立ち上がるカスカベ防衛隊。

子どもだからこその発想力、行動力、仲間との絆がどんどん前に進んでいくストーリーを作っていて、まるで子ども版ヒーロー映画!

笑えるのにカッコいいんです、これが。

昭和カルチャーへの愛と皮肉

昭和のテレビ、街並み、音楽(特にあの主題歌!)などが本当に丁寧に再現されてて、昭和を知ってる人にはたまらない。

でも同時に、「昔が良かった」と言い続けることの危うさにもちゃんと目を向けてる。

懐かしさと現実のバランスが絶妙。

映画全体のテンポと演出のキレ

ギャグ、感動、アクション、すべてがバランスよく配置されてて、ずっと飽きずに観ていられる。

特に後半の盛り上がり方は鳥肌モノ!

演出もテンポも神がかってて、「子ども向け映画」の枠を完全に超えてる

あとがき

まず総評からーー。

この作品は、アニメ映画の枠を超えた傑作です!

「なんでこんなに泣けるんだろう」

見終わったあと、しばらく動けなかった。

クレヨンしんちゃんの映画を、こんな気持ちで観る日が来るなんて思ってもいなかった。

この映画は“笑い”を装って、そっと心の奥に入り込んでくる。

舞台は昭和の懐かしさに満ちたテーマパーク「20世紀博」。懐かしい音楽、古びた街並み、優しかった時代――。

それらは見る者すべての心を、あたたかく包み込む。けれど、そのぬくもりは同時に、“今を捨てる魔法”でもあった。

野原一家の父、ひろしが見せた回想シーン。

たった数分間の映像に、彼の人生がすべて詰まっていた。

子ども時代、思春期、就職、結婚、家族。

ありふれた人生。でも、どこまでもリアルで、どこまでも尊い。

ただの“父親”だと思っていたひろしが、この作品ではまるで英雄のように見える。

それは、大きなことを成し遂げたからじゃない。

日々を、家族を、何気ない日常を、守り続けているからだ。

そして子どもたち。

大人たちが夢に逃げ込んだ世界で、しんのすけたちは“今”を守るために立ち上がる。

大人が未来を手放してしまったそのとき、子どもたちは全力で“未来を生きよう”としていた。

その姿は、無邪気で、切なくて、まぶしいほどに輝いていた。

この映画は「過去を愛すること」と「未来を生きること」の間にある、微妙な感情を見事に描いている。

昭和を知っている人は涙するだろうし、今を生きる人は胸を突かれるだろう。

笑えるのに、切なくて、涙が止まらない。

そして最後には、必ず“何か大切なもの”を思い出させてくれる。

私たちは、今をどう生きているだろう。

家族との時間を、大切にできているだろうか。

ただ前に進むのではなく、“いまここにある幸せ”を、ちゃんと見つめているだろうか。

『オトナ帝国の逆襲』は、そんな問いをそっと差し出してくる。

それも、しんのすけの、あの何気ない笑顔とともに。


クレヨンしんちゃん 公式ポータルサイト


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