名探偵コナン 世紀末の魔術師
公開日:1999年4月17日
『名探偵コナン 世紀末の魔術師』は、1999年4月17日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第三作目です。この作品では、怪盗キッドが鍵となり、「ロマノフ王朝の秘宝」と呼ばれるエッグ型の宝物をめぐるミステリアスな物語が展開されます。
上映時間:100分。興行収入26億円。
キャッチコピーは「世紀末最大の謎を解くのは誰だ!?」。
第三作目の作品として、服部平次や怪盗キッドなど、今では有名なキャラクター達が劇場版で初登場します。
また、劇場版で恒例となっている阿笠博士のダジャレクイズも今作が初です。
- 原作:青山剛昌
- ジャンル:推理/ミステリー・サスペンス・アクション・恋愛/青春・サイコロジカル/ドラマ
- 配給:東宝
- アニメ映画公開:1999年
- 監督:こだま兼嗣
- 制作会社:キョクイチ東京ムービー
あらすじ
ロマノフ王朝の秘宝である「インペリアル・イースター・エッグ」が鈴木財閥の蔵から発見される。
その貴重な宝石が公開されるということで、世間の注目が集まる中――怪盗キッドから予告状が。
厳重な警備をすり抜け現場に現れたキッドでしたが、イースター・エッグを盗み出そうとした時に思わぬ“何者か”の銃撃を受け、忽然と姿を消す。
キッドはなぜ「インペリアル・イースター・エッグ」を狙ったのか?
ただの歴史的な宝物と思われていたイースターエッグには宝物の価値以上の秘密が隠されていることが徐々に明らかになっていきます。コナンたちはイースター・エッグの秘密を追うなかで秘宝を巡る過去の出来事や悲劇に巻き込まれる。
コナンたちの前には、エッグ職人の先祖を持つ香坂夏美が現れれる。そして二つ目のイースター・エッグが……。
撃たれた怪盗キッドは無事なのか?
秘宝を狙う強盗「スコーピオン」の正体とは?
世紀をこえたロシアの歴史、芸術、トリック、そして人間ドラマが交差する。
注目ポイント!
怪盗キッド、劇場版初登場!
本作は、怪盗キッドが劇場版に初登場する記念すべき作品です。アニメ版でも人気の高い彼が、映画ならではのスケールで大胆に活躍します。
キザだけどどこか憎めないキッドの魅力と、コナンとの頭脳戦が最大の見どころです。
歴史ミステリーと宝石伝説が融合した壮大な物語
「ロマノフ王朝」「ロシア革命」「失われた秘宝」といった実在の歴史要素が絡んでくる本作は、
単なる推理劇にとどまらず、歴史ロマンや謎解きの面白さが深く味わえます。
秘宝“メモリーズ・エッグ”に隠された秘密が物語を大きく動かします。
“世紀末の魔術師”の正体は? 二重三重のミステリー
「世紀末の魔術師」と名乗る謎の人物の登場により、物語は思いもよらぬ方向へ展開していきます。
怪盗キッドだけでは終わらない、もう一つの謎――。
「キッドを狙った狙撃者は誰か?」というサスペンス要素もあり、最後まで緊張感が続きます。
ロマンチックなラストと余韻の美しさ
アクションや推理だけでなく、ラストにかけてはどこか切なく、美しい余韻が残ります。
芸術や愛情、夢と現実といったテーマが静かに心に響く結末で、観終わったあとに少し物思いにふけってしまうような味わいがあります。
エンドロールにも注目!
映画が終わったあとのエンドロールでも、ちょっとした余韻が残るような演出がされています。
“名探偵”としてのコナンと、“怪盗”としてのキッド――
立場は違えど、互いに認め合うような視線のやりとりや雰囲気があり、「この2人は、ただの敵ではないんだな」と感じられる締めくくりです。
あとがき
この映画は、劇場版コナンシリーズの中でも非常に満足度の高い作品だと思います。
まず一番に感じたのは、怪盗キッドの登場が本当に楽しみだったということです。
彼の登場によって、物語に一層のスリルと魅力が加わり、キッドとコナンの推理対決や駆け引きが非常に見応えがあります。
キッドの「盗み」のスタイルやその余裕のある態度が、観ていてとてもワクワクさせてくれました。
また、この映画の中で特に印象的だったのは、ロマンとミステリーの融合です。
物語の中心にある「メモリーズ・エッグ」という秘宝や、ロシア革命の歴史的な背景が絡み合って、ただの推理劇にとどまらず、歴史ロマンとしても楽しめました。
実際の歴史や文化を背景にした謎解きは、非常に魅力的で深みがあり、普通のコナンの推理ものとは少し違った味わいがありました。
そして、コナンとキッドの共演は絶対に見逃せません。
それぞれが異なるスタイルで事件を解決していく姿が見どころです。コナンだけでなく他のキャラクターたちの活躍も楽しめて、全体として非常にバランスが取れていたのが良かったです。
映画の終盤には緊迫した展開が待っていて、最後までドキドキが続きます。
その中で、「世紀末の魔術師」とは一体何か、その正体が明かされる瞬間は、予想外の展開に驚かされました。
最後に、美術館やロシア建築の美しい舞台が、物語の雰囲気を引き立てていて、視覚的にも楽しめる作品でした。
全体的に、単なる推理ものを超えて、深みがあり感動的で、観る者を引き込んで離さない魅力に満ちていました。
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