名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)
公開日:2008年4月19日
『名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)』は、2008年4月19日に公開された「名探偵コナン」シリーズの劇場版第12作です。監督は山本泰一郎、脚本は古内一成が担当しました。音楽をテーマにしたミステリーで、クラシック音楽とサスペンスが融合した作品です。
上映時間は115分。興行収入は24億2000万。
キャッチコピーは「この歌声を、消させはしない。」「この指が奏でるのは、真実を導く旋律…」。
劇場版としては初めて「音楽」を取り扱った作品です。探偵としての推理力や行動力だけでなく、勇気や知識、運動能力など数多くの才能を持ち合わせている工藤新一(コナン)ですが、唯一の弱点ともいえる「音楽」。そんな苦手だと思われていた音楽でも……。
あらすじ
日本を代表する音楽家・堂本一揮(どうもと かずき) が創設した音楽アカデミーで爆発事件が起こりアカデミー生の死傷する事件が起きた。事件の翌週にはコナンたちは堂本音楽ホールで「こけら落とし」リハーサルを見学することになる。ソプラノ歌手の秋庭怜子と出会い、元帝丹小学校のOGであったことをきっかけに後日コナンたちの学校に合唱の練習をみてもらうことになる。
そこで、彼女が飲むはずだった飲み物に毒が入っていたり、ダンプカーに撥ねられそうになるなどの数々の事件に出くわす。その時間の間にも堂本音楽アカデミーの生徒が次々と殺されてしまう。
「こけら落とし」コンサート公演当日、コナンと怜子は何者かに襲われます。脱出不能になった2人は、遠くに電話機があるのを発見。コナンたちは2人の声でDTMF信号を発することによって110番通報に成功する。
救助されたコナンと怜子は堂本ホールに仕掛けられている爆弾を解除するために奮闘します。
注目ポイント!
音楽とミステリーの融合
音楽が作品全体のテーマとなっており、特にクラシック音楽が重要な役割を果たします。事件の鍵となる「絶対音感」が謎解きのポイントになるなど、音楽の知識が巧妙にミステリーに組み込まれています。
「絶対音感」を活かした推理
ソプラノ歌手・秋庭怜子 が持つ「絶対音感」は、この物語の最大のキーポイント。コナンが彼女の能力を利用して危険を回避するシーンは、緊迫感と知的な面白さが際立っています。音楽を題材にした作品ならではの推理方法です。
美しく迫力ある音楽シーン
映画の中で演奏されるアメイジング・グレイスは、新一と蘭の過去を思い返し物語のクライマックスを彩る重要なシーンです。音楽の迫力と映像美が合わさり、感動的でドラマチックな演出となっています。
「堂本ホール」という舞台設定
最新の完全防音を誇るホール「堂本ホール」は、音楽をテーマにしたミステリーにピッタリの舞台。音響や建築構造がトリックに関わってくる部分もあり、建物そのものが物語の一部になっています。
音楽家たちの人間ドラマ
音楽に人生を捧げてきた人々の葛藤や情熱が描かれており、犯人の動機にも音楽への強い思いが関わっている点が感慨深い。コナン映画では珍しい「情念が動機」 という要素が魅力的です。
あとがき
コナン映画の中でも独特な雰囲気を持った作品で、とにかく「音楽」というテーマが魅力的に描かれています。クラシック音楽をミステリーと絡めるっていうアイデア自体がすごく新鮮でしたし、特に「絶対音感」を持つ秋庭怜子が重要な役割を果たすのが驚きでした。
彼女の完璧な音感を利用してコナンが謎を解いていくシーンは、音楽をただのBGMや雰囲気作りに使うんじゃなくて、ミステリーの核に据えている っていう点でうまくできていたと思う。
映像も綺麗で、ホールの中で音楽が響くシーンなんかは臨場感があって引き込まれました。特に堂本ホールの作り込みがすごくて、音響設備や建物の構造自体がトリックに関わってくるのは凝ってると感じました。コナン映画は毎回アクションも派手ですが、この作品はアクションだけじゃなくて、音楽の繊細な部分も楽しめる部分が魅力的でした。
犯人の動機に関しても、音楽に生涯を捧げてきた人たちの情動や葛藤が大きく描かれており、それだけ音楽に対す強い思いを感じることができた。
個人的には作中にあった、コナンたちが絶対音感を駆使して、発生だけで110番通報をするシーンが印象的でした。実際にテレビ番組で同じことができるのか検証した番組もあり、本当にできるんだと当時驚いた記憶があります。
最後に壮大な音楽と事件の緊張感が同時に襲ってくる感じがたまらなかったし、映画全体のクライマックスにふさわしい盛り上がり方だったと思います。
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