名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)
公開日:1998年4月18日
『名探偵コナン 14番目の標的』は、1998年4月18日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第二作目です。この作品では、毛利小五郎とその知人が名前に数字を含む順番で次々と標的にされ事件に巻き込まれていく。
物語の中で、刑事時代の毛利小五郎や妃英理との別居の理由も本作の中で語られています。
上映時間:99分。興行収入18.5億円。
キャッチコピーは「次に狙われるのはだれだ!?」。
- 原作:青山剛昌
- ジャンル:推理/ミステリー・サスペンス・アクション・恋愛/青春・サイコロジカル/ドラマ
- 配給:東宝
- アニメ映画公開:1998年
- 監督:こだま兼嗣
- 制作会社:キョクイチ東京ムービー
※タイトルに「日本語で書いて英語で読む語」が初めて用いられた作品は、第二作目の『14番目の標的(ターゲット)』からである。
あらすじ
ある日、毛利小五郎の身近な人物たちが次々と事件に巻き込まれるという不穏な出来事が発生する。
最初は偶然と思われた出来事だったが、被害者たちの名前には“ある共通点”があった。
それは、名前に「数字」が含まれていること。
「13」「12」「11」……。
数字に関連する人物たちが、まるで順番に狙われていくように次々と被害が起こる。
コナンはその法則に気づき、次に襲われる“数字の持ち主”を突き止めようと奔走する。
やがて明らかになるのは、関係者たちの過去に秘められた“ある事件”の存在。それが今、復讐劇の幕を引き起こそうとしていた。
そしてついに――「14番目」に込められた意味が、物語を大きく揺るがすことに。
物語は、緊迫のクライマックスへ向かっていく……。
注目ポイント!
“名前に数字”というトリックの面白さ
犯行現場にはトランプカードの数字やモチーフが残され、それが次のターゲットへのヒントとなっています。
この映画で初めて名前が公表される有名キャラクターもいました。今では原作・アニメでも共通の設定になっています。
毛利小五郎の過去に迫るストーリー
毛利小五郎は普段ダメ親父というイメージが強いですが、映画では“元刑事”としての顔や、彼の過去に起きたある事件、さらには当時関わっていた人物との因縁が描かれています。
特に、妻である妃英理との関係性や心の葛藤が、「小五郎=ただのお笑い担当」という印象をガラッと変えてくれます。
コナンが“本気で信頼している大人”として、小五郎を見るような瞬間も胸アツです。
アクション&サスペンスのバランスが絶妙
ただの謎解きでは終わらないのが劇場版コナンの魅力です。
推理パートの緊張感と、終盤にかけてのサバイバル的なアクションシーンが見事に融合しています。
特にラストの展開は、緊張感MAX。
逃げ場のない閉鎖空間での攻防、限られた時間、迫る危機――コナンが持てる力と知恵をフル活用して立ち向かう姿がかっこいいです。
コナンと蘭の絆にも注目
コナン=工藤新一であることを蘭はまだ知らない。
でも彼女はどこかで“感じ取っている”ような、そんな場面がいくつも出てくる。
それに加えて、今回は“新一が昔言った言葉”が蘭の記憶に残っていて、それが物語のある部分で大きな意味を持ってくる。
この2人の距離感、切なさと温かさが同時にあって、とても印象的。
海中レストラン「アクアクリスタル」でのクライマックス
映画後半の舞台は、超豪華なガラス張りの海上レストラン「アクアクリスタル」。
そのロケーションが、一気に“閉じ込められた空間”に早変わりすることで、登場人物たちがサバイバルのような状況に追い込まれる。
「この場所で何が起こるのか?」という緊張感と、「ここからどうやって脱出するのか?」というスリルがすごいです。
あとがき
『名探偵コナン 14番目の標的』は、劇場版コナンシリーズの中でも非常に完成度の高い作品だと感じました。
ミステリーとしての面白さに加えて、登場人物たちの人間ドラマやサスペンス要素、さらには映画ならではのアクションまでバランスよく盛り込まれていて、最後まで飽きずに楽しめる内容になっています。
特に印象的だったのは、毛利小五郎の描かれ方です。
普段は少し頼りないコミカルなキャラクターというイメージが強い小五郎ですが、この作品では彼の過去や真剣な一面が描かれていて、「実はすごく熱い人なんだな」と改めて思わされました。
彼の人間味に触れることで、物語に深みが出ていると感じます。
また、コナン(=新一)と蘭の関係性にも心を動かされました。
お互いを大切に思っているのに、素直に言葉にできない距離感がもどかしくて切ないのですが、そこがまたリアルで、観ていて胸に残ります。
過去の会話や思い出が事件と結びついてくる演出もとても良かったです。
クライマックスの舞台となる海上レストラン「アクアクリスタル」のシーンは、映像的にも美しく、緊迫感があって見応えがありました。
閉鎖された空間で繰り広げられるサスペンスは、まさに劇場版ならではの迫力です。
全体を通して、派手なアクション一辺倒ではなく、しっかりとしたミステリーと感情表現が合わさった作品だと思います。
特に、コナン映画を初めて観る方にもおすすめできる一本ですし、シリーズファンにとっても満足度の高い内容ではないでしょうか。
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